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3月8日、土曜日、友引。
山村教室ゲスト講師として、赤川次郎先生が来てくださったぞ!!
そして名誉塾長、森村誠一先生も!!
盆と正月と誕生日とクリスマスと節分とひなまつりと初潮が一緒に来るよりもさらにめでたい顔ぶれである。
「小説家になりてぇ」なんて言ってる阿呆どものためにお忙しい時間を割いて来てくださり、まことにありがとうございますっ!!

赤川さん、あったか〜い人だったなぁ。
スバラシイと思うのが、作家を30年もやってきて、作品総数も500冊を超えたというのに、まだ「書くのが楽しい」と言ってのけるところだ!

「書くことが好きで楽しければ、それでいいじゃないですか。プロになれるなれないは、ちょっとした偶然ですよ」

これだ、これこれこれ! 
これこそ私に必要なスタンスなんだよ!

プロになりたい、早くプロに、とにかくプロに! って最近そればっかりだったもん。
書くのが好きとか楽しいとか、全然思ってなかったなぁ。
初めて小説らしきものを書いた中学生の時、とっても稚拙なジュニア小説だったのだけども、寝るのも忘れて書いたもんだ。
テスト期間中も参考書で隠しながら原稿用紙に字を埋めてた。
ありゃ楽しかったなぁ。

あの時の気持ちを思い出して、泣きそうになったよ。
そんな純粋な気持ちを持ち続けていられるなんて、赤川次郎という作家は本当に偉大だ。
改めて自分にとっての小説って何だ、と見直してみようと思う。
プロになりたいから小説書いてんのか。違うだろ馬鹿者。
見失ってるものが、多すぎるのです。

2時間20分、たっぷりと喋ってくださった。途中休憩を入れますかと言われても、「今休憩取ったら時間終わっちゃうよ」と断り、ず〜っと喋りっぱなし。そうとう気力体力を消耗するだろう。
あったかいだけではなく、熱くもある。
その温度差をとてもバランスよく併せ持つ人だ。
濃〜〜〜〜い時間だった。

森村先生曰く、「僕がこうして作家を教室に呼ぶのはね、皆さんに一流の作家というものをFEELしてもらいたいからなんです」
ええ、たっぷりFEELさせてもらいました。
だって最後の写真撮影の時、「FEEL、FEEL」と呟きながら突然赤川先生の肩を撫ではじめ、びっくりしている先生に「あ、すいません。握手してください」とその柔らかなお手を取らせていただいたんだもの。

さらに調子に乗って、「いやぁ、肩ならいいけどお腹だとちょっとやばいですよ」と冗談を言う先生のお腹を「あ、じゃあちょっといいですか」とナデナデして「ステキなお腹です。作品の卵巣にいっぱい詰まってますね」なんて言う無礼者! ええ、それが私です。
でもニコニコしてらっしゃったから大丈夫……よね?

早いもので、12月に突入!
坂道を転がり落ちるような速さで今年が終わろうとしております。
嗚呼怖い怖い。歳を取るごとにどんどん一年が速くなってゆく……。
それだけに漫然と時を過ごさず、書いて書いて書きまくらねば、とは思うのですけどね。このところお布団が心地よくって……(エヘヘ)。

そんな中、昨夜は早くも山村教室幹事忘年会がありました。
ええ坂井、こんなモンでも一応幹事なのであります。
4月からへっぽこ幹事として就任し、いまだに何をするにも理事のS水さんに質問ばっかりしております。
皆さんに迷惑ばかりかけているので、この7ヶ月どうもありがとうございますという気持ちで出席したのですが……。
睡眠不足ぎみで、途中から爆睡。
二次会では居酒屋さんで横になって爆睡。
オイ坂井!!!!!
いやでも本当に、ありがとうございますと思ってますからね!!

さて、泣いても笑っても今年もあと一ヶ月。
女王様の仕事の方も一番忙しい時期だけども、ちゃんと書いていかねば。
今、400枚の長編に挑戦中。短編は短期集中だけども、長編はコンスタントに書いていく筋力が必要。
でも長編って書いてて楽しいものですね。
短編は神経を錐みたいに尖らせて書いていかねばならないけども、長編はベルセルク(漫画)の主人公が持ってる剣みたいなもんでばっさばっさ薙いでいく感覚です。

参考画像ベルセルク↓
ベルセルクこの背中に背負ってる剣のことですね。めちゃめちゃオモロイです、この漫画。

まだ400枚書き上げていないのに(まだ100枚ちょっと)長編を語るなって感じですね。
仕上げた時に何が見えてくるのか。もしくは何も見えないまんまなのか。
それでも少しは成長できるものと信じて書き進めるぞ。
3月の小説すばるに間に合わせたいなぁ。できれば……(弱気!)

二日酔い、とまではいかないけども若干頭の重いkikuです。
昨夜の教室二次会、ベロンベロンの私に絡まれてしまった皆さん、どうもすみません。

だって、楽しかったんだもの。
塾長講演の日で森村誠一先生が来てくださり、「なまこメロン」なんていう斬新なものを思いつかれるし、光文社、文芸春秋、祥伝社の現役および元編集者もみえていて、賑やかでありました。

その上、今月末締め切りの「小説宝石新人賞」用に書いている最中の原稿が、どうもイマイチ面白くない。もうホント、どん詰まり。
それゆえ「酔わせてください、もう少し〜」という心境で、杯を重ねておりました。

きっとこういう行き詰ったときって、一人だとアリジゴクのようにどんどん下へ下へと吸い込まれて行っちゃうんだろう。
でも教室に行って、アドバイスもらったり励ましあったりハッパかけられたりしているうちに救助ネットに着地できました。どうもありがとう。

私は飛ばなきゃいけないんだから、落ちてなんていられません。そんな暇はない!
締め切りまであと一週間だしね……。

昨日は山村教室ゲスト講評の日。
ななな、なんと、今ノリにノッてる作家、平山夢明先生が来てくださった!

「独白するユニバーサル横メルカトル」で昨年の推理作家協会短編部門賞を受賞なさった。
それからはさらにお忙しいらしく、「昨日はほとんど寝ていない」上に、「帰宅してからあと20枚残ってるんですよ」と仰っていた。
なのに二次会にも23時頃まで付き合ってくださって、大変有意義なお話を飛ばしまくってくれました。

何を仰っていたかは、もったいなくてこんなところじゃあ書けない。
今まで頭にあった小説理論をぶち壊して踏みにじってミサイルマ〜ン! というような内容だったとだけ言っておく。
小説の型というものにとらわれすぎていたな。もっと自由でいいんだな。
それができるのも、基礎ができていればこそ、なんだろうけども。
ちなみに「ミサイルマン」は平山先生の新刊です。こちらもオススメです。

それにしても先生は本当に面白い。
作風はグロテスクで残虐シーンてんこ盛り。でもお会いするとものすごく気さくでウイットに富んだ方。
殺人シーンなんて描写がリアルすぎるので、「この作者は本当に一人くらい殺してみたんじゃないかと思えますよ」と言うと、「う〜ん。実際に殺すのはあんまり好きじゃないなぁ」
あんまりって、先生……。

あとずっと不思議だったのが、平山作品はグロテスクで臓物とか排泄物とか精液のにおいとかがプンプンしてるのに、なぜか読後感がいいのです。美しさすらあります。
その秘密のかけひきも、ちょぴっとだけ教えてもらっちゃった。えへへ。

本当に本当にありがとうございました、平山先生。
よぉ〜し、突き抜けるぞぉ〜!!!!
キーワードは、
「ぶん回せ!!!!!!!!!!」

テキスト原稿の締め切りなどですっかり書くのが遅れてしまったのですが、8月18、19日は山村教室有志での熱海合宿が開かれました。

森村先生が熱海の別荘を開放してくださって、みんなで乱痴気騒ぎ……もとい、先生との親睦を深め、受講生同士互いに高めあおうという会であります。
人気も実績もある作家さんと、二日間も(実質的には丸一日だけど)かぶりつき状態でいられるなんてそうそうあることではないよ!
先生、まことにありがとうございます。

小説教室の合宿というと、全員が机にずらっと座って黙々と駄文をこねくり回しているような印象を与えてしまうらしいが、実質は海とたわむれ、酒とたわむれ、戯言を吹きこぼしあっていただけである。
でもそれは、「机に向かってるだけじゃいいもん書けないよ」と先生が教えてくださってるんだと(多分)思う。
作家のものの見方、考え方、感じ方を間近で観察できるというだけでも、ものすごくいい勉強だ。

……それにしても飲んだね。
イナゴの大群が通り過ぎた後は青い草一本ないが、我々もそのくらいの勢いでお酒を消費していった気がする。
みんなで短歌をひねりながら飲む酒。いい酒でした。

別荘についてすぐに、「熱海をテーマにした40〜50枚の短編のストーリーを考えて、そのタイトルとキャッチフレーズを夜に発表」と先生から宿題を出されていたのに、その発表会も酒による健忘でいずこかへ行っておった。
結局、翌朝やりましたけどもね。

それにしても森村先生は、何をするにしても他の誰よりもパワフル。
う〜ん。これが作家のバイタリティか。
感服いたしました。

※写真をUPしようと思ってたのだが、このブログは大きいサイズの写真の投稿が面倒なようなので、いずれ写真俳句ブログの方に載せようと思います。

坂井希久子

2008年オール讀物新人賞受賞。小説家の端くれのそのまた端くれ。
翼広げて大空にはばたくぞ! と言いつつ、まだたまごには「ひび」くらいしか入っておりません。
それでも、小説が好き。あと、着物も好き。
どちらも奥が深いことでございます。
死ぬまでには、真髄にちょこっとばかし触れたいな。

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