★受講生が発信する、山村教室の紹介記事です。書き手はキビナゴ初陽の2人で不定期連載
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初陽のHAPPY DIARY! 第3回 まぶしい! そして熱いぜっ! 開講式

お久しぶりです。山村教室広報担当の庵地初陽(あんじ はつひ)です。
暑いっ! いや、すっかり夏ですね。

今回、話は前後しますが、初めての講義の前、初めて出席した開講式の出来事をお話しいたします。
開講式は春、4月のはず……。なのに、夏なんてもんじゃない、ハンパなく熱い1日でした。

いろは会に出席し、あえなくTKOされた傷も癒えぬまま、4月に入ると開講式がやってきました。
その年の開講式(※編註/2013年度)は、塾長の森村誠一先生、特別ゲストの逢坂剛先生のお話でした。
超一流の作家の講演を、ホールなどの大きな会場ではなく、講義の時にも使われる会議室で聴くのです。

それだけでも、緊張します。その上、もっと驚くことが! 山村教室は有名な小説教室。OBOG作家の方々の名前をホームページで拝見するだけで、レベルの高さが判ります。

当日、気づけばOBOGのプロ作家の方々が、聴講する側に座っているんですよ。つまり新入りのわたしと同じ側。だいたい、山村教室をすごろくに例えれば、デビューしたらアガリなわけで、何故プロの作家の方々が聴講しているのかも、わけがわかりませんでした。
「幹事様、筵(むしろ)ありますか? わたし、椅子に腰かける身分じゃないので、地べたに正座します!」
まじめに、そう言いたくなりました。壇上はもちろん、聴講席もまぶしい! わたし、完全に場違いですよ。そんな思いでアワアワしているうちに、両先生、ご登場!

講義は素晴らしいものでした。

森村誠一先生、逢坂剛先生のお話はもちろん盛り沢山で、今回全部をレポートできません。わたしがショックを受けたのは、作家になる覚悟についてでした。

どうしても書きたい、形にしたい思いがある。そういう人間でないと、作家になる資格がない。そのことが頭で理解するというより、皮膚を通してひしひしと伝わる。そんなすごい講義でした。
熱い! 気圧されるような熱さがありました。内に秘めたその情熱を注いで、命がけで作品を生み出していて、そのうえ、新しいことに挑み、常に進化することを目指していらっしゃる。そのお姿を拝見するだけで、とても勉強になりました。

と同時に作家を志すということは、先生方以上の覚悟と努力がないと、成し遂げられないとも痛感しました。そりゃ、そうですよね。才能があり、大家でしかもベストセラー作家の先生方が、現在も努力を惜しまず全力で走り続けていらっしゃるわけです。

そして、受講生として出席されていたOBOG作家の方々は、作家の道にすごろくのアガリなんかないと解っていらっしゃるから、先生方のお話を少しでも自分の血肉にしようとして、この場にいらっしゃるのだと思いました。

このように、才能のある方々がさらに努力を続けているんですから、才能がなくて、それでも作家になりたいわたしは、もっともっと努力をしなければならないと、今更ながら気づきました。
プロの先生方が真剣勝負している横で、やる気半分で、中途半端なごっこ遊びをしていたら、ふざけるなってことです。

気後れしておどおどしているわたしの目の前で、森村先生は、
「皆さんも、私と同じく作家を目指して……」
とかおっしゃってくださる。頑張らなくては! と思いました。

しかし、いろは会、開講式を経て、わたしの中のわずかな自信は、すっかり木っ端微塵です。志あれども、自信なし……です。

その日、わたしは森村先生の横顔を拝見しながら、心の中でこう呟いていました。

「母さん、僕のあの自信、どうしたでせうね? ええ、春いろは会から開講式へ行くみちで、谿谷(けいこく)へ落としたあのちっぽけな自信ですよ―」

教室で落とした自信は、教室で取り戻すしかないんですよね、結局……。解ってはおりますが、いや、今もまだ、谿谷(けいこく)に落としたままです(号泣)。

泣きながら……See you next time!