★受講生が発信する山村教室の紹介ブログです★
「高野真理子の扉を開けて―第4回 ハジメテノ」
なぜ、あの日飲み会に行ってしまったのか。
なぜ、あの日テレビを見まくってしまったのか。
なぜ、あの日寝てしまったのか。
この日がやって来るたびに、自身の悪行の走馬灯とにらめっこしているのは私だけだろうか。
きっとこの広い空の下、山村教室のメンバーに同志がいることを祈って、ひたすらキーボードをたたき続ける。
新年あけましておめでとうございます。高野真理子です。
冬の冷たい風に吹かれて、ふと思い出したことがありました。
高野は秋に山村教室へ入会しました。
初めてテキスト作品を入稿できるようになったのが、そろそろマフラーが必要になる冬の初めの頃でした。
入会してすぐは、山村教室で使用する生徒作品掲載テキストへの提出はできません。
というより、すでにその期間に使用するテキストは完成しているので、まずはそれを頂いて、諸先輩方の作品を読み、受講します。
その期の終わりが近付くと、翌期のテキスト締め切りがやってきます。
その締め切り分より、初めて作品の提出が可能になるのです。
高野は、入会時に書いた作品が初めてだったので、入会後に迫り来るテキストの入稿締め切りに、どんな作品を書こうか、ぐるぐると悩んだことを覚えています。
締め切りが刻一刻と迫ってくるのに、作品が仕上がらず、頭の中に浮かんでいることを、ただひたすらキーボードにのせて、画面を埋めていく。
埋めても埋めても、作品最後の「了」が打てずに、一人パソコンの前できゃわきゃわと慌てる。
気付けばカレンダーは締め切り当日。
「なんで、もっと早くから書かなかったんだろう」
そんな事を考えながら、書いたり推敲したりしているのは、高野だけかもしれません。
ともかく、締め切り時間である夜中の12時の鐘が聞こえるまで、パソコンと戦い続け、滑り込みで作品を提出する。
一瞬、あまりの安心感に灰になりかけました。(笑)
(皆さんは、余裕をもって提出して下さいね!)
そして……。
一か月のち、製本されたテキストが配布されました。
まずは、恐る恐る目次を見ます。
自分が何日の講評かは既に分かっていますが、もう一度見てしまいます。
そして、ページ数を確認して、そろそろと自分の作品が掲載されている箇所を見つけにいきます。
「!」
ぺらりと目的のページをめくったら、自分の作品タイトルと筆名がありました。
テキストに掲載された、自分の作品を見た時のことは忘れません。
思わず、恥ずかしくて一度テキストをとじました。
また、そうっと自作のページを開くと、活字になった作品が、少し誇らしげに、数十名の受講生の作品と一緒に並んでいました。
不思議な感情でした。
受講生の皆さんが一生懸命書いた作品の中に、ぽつりと自分の作品が存在する。
それは、山村教室の一員となった証のように思えました。
ここに掲載されることによって、自分以外の人に読んでもらえる機会が頂けるなんて、なんと素敵なことだろうと思いました。
自宅に持ち帰って、嬉しくて二度三度と、自分の作品を読み返したことを覚えています。
もちろん、テキストに掲載されて、大勢の方の目に触れるということが恥ずかしくもあるのですが、良い感触も悪い感触も、どういう評価を受けようとも、全ては自分の作品が生んだものです。
そのたくさんの声を受け止めて、次作に活かすことを考える。
一人きりで書いていたら、こんな経験はできません。
そうして、気付けば数年経ちました。
やはり、今でも活字になった自作を見るのはドキドキします。
自宅のプリンターで出力した原稿とは、全く違います。
テキストには、かしこまった顔で載っている作品が、「気を付け」をして、先生に講評をされるのを待って並んでいます。
作品を無事に提出するたびに思います。
「提出できて良かった!」
もちろん、テキストへ作品を出すか出さないかは、あなたの自由です。
だけど、もし山村教室の一員となったのなら、一度はテキストへ作品を提出してみませんか?
あなた自身の作品と、違う向き合い方をしてみませんか?
一つ違う扉が開くかもしれません。
それでは、本日のところはこのへんで。
機会がありましたら、またお会いしましょう。
(了)