高野真理子の扉を開けてー第3回 秋といえば

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高野真理子の扉を開けて――第3回 秋といえば


「それでは次の作品です」
 マイクを通して、凛とした声が教室内に響く。
 自分の作品の講評の順番が回ってきた途端、一瞬耳が聞こえなくなった。
 人に作品を講評されるという事が初めてで、どんな顔をして聞いていればいいのか迷っている間に、さらりと講評が始まる。
 結局、私はどんな顔をしたら良いのか分からず、息を詰めたまま先生を見つめていた。

 お久しぶりです。高野真理子です。
 10月に入り、一気に秋を感じますね。でも、秋だからでしょうか? それとも寄る年波にのせいでしょうか?(笑)
 今回は少しだけ、思い出話にお付き合い下さい。

 高野にとって10月は非常に思い出深い月です。
 なぜならば数年前の今頃、山村教室に入るために、ちょうどドキドキしていた頃だからです。
 山村教室の入会のタイミングは4月と10月の2回です。
 高野は10月入会を目指して、提出作品を応募しました。
 入会のための作品が処女作でしたので、書き方が合っているかも分からず、ともかく締め切りに間に合うように応募してから、どこに祈ったら願いが叶うのかもわからず、どのような結果が出るのかと考えていた事を覚えています。 
 なので、幹事の方から初めて入会案内のメールが届いた時は、嬉しくて何度も何度も読み返してしまいました。

 山村教室では、入会時に「いろは会」という新入会者用オリエンテーションが用意されています。
 そこで、初めて担当講師の方から自作の講評を受けることができます……。受けることができるのですが、「講評」を受けるという事が初めてだった高野は、とにかく緊張して息を詰めて、講師の方のお話を聞いていました。
 自分の講評が長かったのか、短かったのかも分からないほど、初めての講評はあっという間に終わりました。
 十数作の講評を聞き終わり、その日の二次会で不思議と人の顔と名前は一致していないのに、「〇〇の作品の人ですか?」とか、「先生に〇〇って言われてましたね?」という会話が成り立っていた事を覚えています。

 あれから数年が経ち、一緒にオリエンテーションを受けた同期の仲間も大分減りました。
 よく教室で見かけていた先輩が、顔を出さなくなったりすることもあります。
 でも、寂しくはないんですよ!
 ずっと一緒に頑張ってきている同期もいますし、年に2回増える新しい仲間に刺激をもらったりして、山村教室は常に進化し続けているんです。
 こうしている間にも、きっとどこかで山村教室に入会することを心待ちにして、何度もメールチェックしている方もいらっしゃるかもしれませんね。
 高野も、みなさんと教室でお会いできるのを楽しみにしています!
 なんて、先輩風を吹かせるには、高野もまだまだ「山村経験値」が不足しています。まだまだ勉強することが沢山あります。
 ぜひ、一緒に頑張っていきましょう!
 それでは、本日のところはこのへんで。
 機会がありましたら、またお会いしましょう。

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