★受講生が発信する、山村教室の紹介記事です。書き手はキビナゴ初陽の2人で不定期連載★


初めまして、山村教室広報担当の≪庵地 初陽(あんじ はつひ)≫と申します。
わたしはまだ、入ってようやく1年経つかなあという感じ。
まだまだヒヨッコですが、だからこそ、新鮮な驚きを伝えていければと思います。

今回は、入会を申し込んでから講義に出席するまでの道のりについて、レポートしますね。

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初陽のHAPPYレポート 第1回 「いろは会」で、小説のいろはを学ぼう!


入会申し込みの際に、作品をひとつ送らねばならないのが、山村教室のルール。
わたしの場合、それまで掌編(30枚くらい)ばかりを書いていたので、50枚!なんて、まさに天竺への旅でした。

大体こんな筋で、こんな雰囲気の小説になればいいなあ……なんて、もやっとしたイメージだけで書き始めたんです。
いやあ、天竺、遠い、遠い。灼熱、砂嵐、玄奘三蔵のようにボロボロですよ。しかも猿も豚も河童も、お供してくれないし。
それでも独りで、なんとか完成まで辿り着きました。早速、郵送。

その後、大きな封筒が送られてきました。天竺の経典……ではなく、入会の資料です。教室の場所や講義の時間など、教室の概略が書かれております。
そして、「いろは会」のお知らせが同封されておりました!

「いろは会」とは、文字通り、新入会の受講生に教室のいろはを教えてくださる会です。
わたしが参加した時は、初めに教室の規則などを説明するオリエンテーション、山口先生による小説の書き方講座、そして入会時に送付した原稿の査読(講評)という構成でした。

小説の書き方講座は、初心者向けとは謳っていますが、小説を書く時にいつも心がけていなければならないことばかり。今も書き始める前に読み直しています。
特に、初心者にとって

「テーマなしで書き始めることは、地図を持たずに見知らぬ国に旅に出るのと同じ」

というお話は、それまで話の筋を組み立てることが小説だと考えていたわたしにとって、まさに目から鱗でした。三蔵、地図持ってなかったよ(涙)。どおりで天竺まで迷走するはずだよ……と思いながら、先生のお話を聞いていました。

そして、緊張の査読(講評)の時間。
わたしの作品について、先生からは鋭いご指摘をいただきました。……と言っても、先生は温厚でやさしいかたです。とても丁寧に読んでくださっていて、実に納得できる的確なご指導をしていただきました。
結局、もやっとした雰囲気だけで書き始めた作品は、伝える力も弱いんですよね。
だって、作者が伝えたいのは、雰囲気だけなんですもの。

先生の言葉一つひとつがおっしゃる通りで、胸にずんずん響くんですよ。わたしが迷ったところとか、手を抜いて走り抜けたところとか、全てお見通し。ボディーブローが効きます!ボクシングだったら、完全にTKOです。

しかも、小説について何も知らないくせに、わたし、入会の申込書に無謀にも「もっと感性を磨きたい」みたいな、一人前のこと書いていたんですよ。今読み直すと、まるで基礎はばっちり!な感じに見える文章です。もちろん、そんなつもりはなかったんですけどね。
その紙も返ってきて、先生からコメントが。
そして、そこには……。

「まず、話の作り方を身につけましょう」

つまり、提出作品は、話が作られていない……。
_| ̄|○ ガーン!
セコンド、タオル! タオルを投げろ!
カンカンカンカン!

……とまあ、独りよがりな作品など、受講生が陥りがちな過ちも、丁寧にご指導してくださいます。これは日頃の講義の時も変わりません。
まだ一年しか経っていないのですが、入会時の作品を読み返すと、ツッコミ処満載でつくづく解ってなかったなあと思います。じゃあ、今は解っているのかというと……。
す、すみません!
小説の世界は、奥が深いです。50枚書いて、天竺に着いた気になるなよ!と、あの頃の自分を叱りたいです。

でも、山村教室は、言わば玄奘三蔵の集まり。皆、孤独に耐え、天竺を目指しています。つまり、天竺仲間。創作は孤独ですが、砂嵐や灼熱、つまり創作の苦労について分かち合えるので、元気をもらえます。

その話はまた後日いたしますね。
To be continued!