三宅登茂子著「身代わり右近」

三代将軍家光により、肥後熊本藩主加藤家の廃絶が命じられ、大名たちを震撼させている最中、萩では藩の存亡に拘わる重大事がおきた。藩内に潜入して いた公儀隠密、一柳右近が萩藩の密貿易を家光側近の松平信綱に上申する文書を携えて死んでいたのだ。藩は一計を案じ、右近そっくりの身代わりを信綱の許へ 送り込むことにするが……。

三宅登茂子
1963年京都生まれ。山村教室に学んだ後、2004年「猫股秘聞 密偵美作新九郎」で作家デビュー。他の作品に「山雨の寺 小検使結城左内」がある