昨日、22日は山村教室の日でありました。
前回が開講式及び山村賞選考会であったので、実質昨日が今年度の初講評日。
ちゃんと山村教室を外さない日程で旅行を組んでた私、さすが。

実力が伯仲している山村教室、つまづき所が似ていたりするので人の作品の講評であっても「なるほど!」と思うことしきりである。
ましてや自分の書いたものとは違って客観的に見られるし聞けるから、するりとアドバイスが入って来るのだ。

もちろん自分の作品であっても人の意見は素直に受け止めようと思ってるし、そうしてるつもりだよ。でもやっぱり、どうしてもちょっとは熱くなっちゃうものねぇ。
だけど、「ここはどうしてもこう! こうなんだよ!」と作者が主張したいところって、とくに勉強中の身では、ただのオナニーであることが多い。
やっぱりさ、読者とちゃんとセックスしたいじゃない。
だから頑張って勉強せんと。
(しかし私のたとえってなんでこういう……)

で、講評の中で、今までにも言われてきたことであるが「視点」の問題に話が及んだ。
たとえばコップ一つあったとしても上から見るか真横から見るか斜めから見るかで形が変わる。では、登場人物Aの視点をBで書いてみたらどういう物語になるか、Cだとどうか、というのを考えてみろ、ということだ。

去年、「火垂るの墓」が実写ドラマ化された時に「視点」の面白さを思い知った。
ジブリアニメで誰もが見たことがあるかと思う。終戦記念日が近付くと必ずテレビで放映されるしね。
そのアニメ版は清太さんの視点で物語が進行してゆくが、ドラマ版は親戚のオバサンが主人公、しかも演じるのが松嶋菜々子。

長年、アニメ版では「ヤなババァだなぁ」と視聴者の反感を一身に背負っていたはずのオバサン。声優さんがまた嫌味っぽくて上手いんだよね、これが。
それがさ、そのオバサンの心情で見ていったら、あぁ、子供たちに辛く当るようになるのも無理ないな、と思うようになり、同情するようになり、清太さんがむしろ小面憎くてしょうがなく思えてしまうのだ。
これぞ、視点マジック!

私の場合はその視点をよく人間じゃないものに当てちゃったり、するからねぇ……。
好きなんだ。たとえばコップの中で溺れてるハエがいるとしたら、頭の中をそのハエの視覚に切り替えてみたりするのが。だから私の目はたまに、複眼になる。
昨日は私の作品の講評もあったのだが、やはり人ならぬものが主人公であった。

山口講師曰く、「人じゃないものを主人公にするなら、それを通して人間を描くか、それ自体に人間性を持たせるかしなければいけません」
私の狙いは人ならぬものを主人公にしたエロ小説、だったのだが、それならば穴があったら入れたい! と歯噛みせんばかりに悶え狂いながらも性に対して少しばかり畏れもある中学男子のようなキャラクターを作り出してもよかった……のかなぁ。

ということで教室の男性諸君、童貞時代の性への希求や憧れや怖さといった、女ではちと分かりづらい心情を今度取材させてくださいませ。
匿名でコメントのところに書いてくださってもよくってよ、もちろん本名でも結構、ホホホホホ

ともあれ今回の教室のまとめ。
小説とは人生を書いてなんぼじゃ!!!

と、いうことでお開き。

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土曜日は行けなかったよわっちげな私。本格的に小説中心の生活に入りたい。もうその時期よ、と自分の中の何かが言っている。それも人生。
ねえさん、お帰りなさい! バリはどうだった? 美しくなったであろうねえさんの肌にすりすりしたかったー。やっぱり、外から入れ込むだけでなく(つまりプラセンタ)、内側からも美しさの元(つまり休養といい刺激)が引き出されるからね!
ちなみに、視点の話、教室出身の尊敬するS先生も仰ってたよ。そんな頭のなかった当時の私は、違う糸口をつかんだ、と感じた。それで幅を広げることができたと思う。感謝です。

>makeek
ただいま。バリは最高だよ。美しくはなった…かな?? スパも行ったしね。
視点。私ももっと人間の目で物を見なければ。
早く人間になりた〜い。

rest room

ほぼ一ヶ月ぶり。 先日、クレジットカードなるものを作り(JRAが協賛のカード。モ

非常によい場所

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坂井希久子

2008年オール讀物新人賞受賞。小説家の端くれのそのまた端くれ。
翼広げて大空にはばたくぞ! と言いつつ、まだたまごには「ひび」くらいしか入っておりません。
それでも、小説が好き。あと、着物も好き。
どちらも奥が深いことでございます。
死ぬまでには、真髄にちょこっとばかし触れたいな。

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