このところいいお天気が続いていて、お陰で布団を干したり毛布やらシーツやら布団カバーやらの大物を洗濯するのに忙しく、なかなか腰をおちつけて小説を書くことができないでおります。

と、いうのはもちろん言い訳。ただサボっておるだけ。
でも入り梅雨までの短い晴れ間だと思うといてもたってもいられず洗濯三昧なのは事実。

ダウニーという輸入の、いい香りのする柔軟材を買ってしまったのでさらに洗濯熱に燃えている。
このダウニーという輩、生意気にも一つ千円もする。香りとデオドラントのソフランなら、だいたい390円くらい? 比較すると本当にくそ生意気である。
しかしこのいかにもアメリカンな、これでもかっちゅうくらいの香りは、これからの季節、生乾きの臭いに悩まされる事はなかろうと確信できるくらい強烈に薫り立ってくれるのでしばらくは手放せない。

って、ダウニーのことを宣伝したいんじゃなかった。
軌道修正、ぐにっ!(曲げた)

そんなこんなで、最近はひなたの匂いのするお布団で眠っている次第。
晴れてるから、布団を干す。
当たり前のことを当たり前にすると、気持ちがいい。
たとえば、おダシはちゃんとかつおと昆布で取る、
にっこり笑っておはようを言う、
起きてすぐ顔を洗う、
家族みんなで食卓を囲む、
大好きな人に、大好きと言う。

どれもこれも当たり前のこと、でも当たり前に実行すると、やっぱり気持ちがいい。
当たり前のことをあんまりないがしろにすると、人間少し、おかしくなる。

もしかするとこういうことを「当たり前」と言ってしまえる私は、とっても幸せなのかもしれない。
いや、もしかしなくても幸せだ。
たくさんのたくさんのたくさんの、「当たり前」な愛情の中で生きてきたから。

注がれる愛情を「当たり前」のように受け止めて、特に意識してこなかったんだろうなぁ。うん、今気付いた。
なんだかクローバー畑の中にふと四葉を見つけた時みたいだ。
「あぁ、こんなところにあったんだ、『幸せ』って」

「ありがとう」って、言いたいな。
何かとっても、温かくて大きいものに。

私の部屋の窓から見えるはす向かいのお宅は、いつもいつも、日差しの気持ちいい日はバルコニーがとっても賑やかになる。
何人家族なんだろう、とにかく洗濯物やらお布団やら毛布やらタオルケットやら、三階建てなんだけども二階と三階のバルコニーをすっかり埋め尽くしてしまう。
そこに日差しが輪っかになって降り注いでいるのを見ると、
「あぁ、『当たり前』増殖中だ」
と、少しだけ優しい気持ちになって目を細めたり、する。

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はじめまして。nakaといいます。
こういうところへの書込みは慣れていないのですが、ほのぼのとした雰囲気につい立ち止まってしまいました。

当たり前の幸せ、いいですね。
うちでは、3歳になる2人の子供の成長を見ているのが何よりの幸せです。普通に育っているだけで、他人から見ると当たり前にしか見えませんが、私達にとってはやっと授かった子供です。
(不妊治療とか、いろいろ苦労しました)
子供が産まれた時は、単純に嬉しかったです。
後で思い出に残る幸せの風景は、ごくごく普通の生活シーンだと、しみじみと思います。

ところで、
「レストルーム」ダウンロードして読んでいます。よくあるトイレ風景なのでしょうが、落書きの視点からいろいろと描写してあり楽しく読ませてもらっています。
普段、小説は読まないのですが、知人の女性から薦められダウンロードしました。
薦めてくれた女性は、すごく美人で清楚な感じの方なのですが、小説の中身にちょっとびっくりしました。

kiku先生の今後のご活躍を、楽しみにしています。

>nakaさん
おや、あなたはもしや…。
はは、こんなところにまでたどり着いてしまうとは。
可愛いざかりのお子さんたち、そんな経緯があったのですね。
これからきっと、生意気なこといっぱい言い出すんですよ。でも、それもまた幸せ。
ちゃんと、パパの顔でいてくださいね♪

なんでもないようなことがぁ〜
幸せだったと思うぅ〜♪

と虎舞竜(三船美佳の旦那がボーカルのバンド)も
歌っておりますとおり、
なんでもないことが幸せなんだなぁ〜っつうのは
後から気がつくのかもしれませんね。

時々、こうやって『当たり前のこと』を
じっくり感じるのもいいものかもしれませんね。

そそ、ダウニーそんなにいいっすか?
あれですよね?水色の容器に熊の絵が描いてあるやつじゃない??
(熊だったか記憶定かじゃないけど(汗))

”幸せって何だっけ”
のブログをみて、自分が幸せを感じる時ってどんなときだろう?と、ちょっと本気出して考えてみたのですが…
思い浮かんだのが、
・金曜の夜(金曜仕事、土日休みというときに、一番気分がいいのは金曜の夜かな〜と思って。)
・我慢したあとのトイレ(あの開放感…)
ぐらいでした。少なっ。

ホントに、幸せって何だっけ?
私にとっては、『愛』という言葉と同じ位に『幸せ』という言葉の定義が難しいです。

当たり前のことを当たり前と思うのではなく、それを幸せと感じることが出来たなら、そしてそれを言葉にできたなら…それは本当に幸せな証拠なのかもしれませんね。

もうちょっと考えてみます。

>染谷水音さん
ダウニーはいろんな種類があるので、熊のもあったかもしれない。
生乾きの臭い防止にはよいと思いますよ。
幸せっていうのは当たり前すぎて普段気付かないようなことなのではないか、と思います。
あとで思い返すととっても綺麗に思えるもの。
そういうものを見逃さないで生きていきたいなと思っております。

>つきいちさん
我慢したあとのトイレ、あの開放感は確かに素晴らしい!
それも幸せも一つと思っていいのではないかと思います。
たとえば、病気になって人工肛門になったりしたらそれも味わえない。健康だからこその快感ですよね。
と、いうことでトイレの一瞬も認定!

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坂井希久子

2008年オール讀物新人賞受賞。小説家の端くれのそのまた端くれ。
翼広げて大空にはばたくぞ! と言いつつ、まだたまごには「ひび」くらいしか入っておりません。
それでも、小説が好き。あと、着物も好き。
どちらも奥が深いことでございます。
死ぬまでには、真髄にちょこっとばかし触れたいな。

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