3日土曜日は、山村教室の猛者数人と森村誠一先生による「大藪春彦講演」に行ってきました。
今年はちょうど歿後十年だったそうです。
この日に向けて大藪作品をた〜くさん読んで臨もうと思っておったのに……できず。
でも森村先生はとにかく話の運びがお上手で、そんな無知な私でも充分に楽しめました。

文体の話は特に、作家のたまごとして得るものが大きかった。
音楽の転調みたいに人を殺す前と後でスパンと切り替わる文体に、しびれた。
映画では、たまにあるかな、そういうの。
別に私はハードボイルドを目指してはないけども、こんなカッコイイことがしたい! と思ったのでありました。
大藪作品、読み漁ろう。

手始めに「野獣死すべし」と「蘇える金狼」から読みなさい、というのが森村先生のオススメ。
それぞれ復讐物と野望物の代表作なのだそうだ。
ギンラギンラに牙の尖った男たちの物語、昨今の精神虚弱ぎみの男性たちも読んで少しは野生的になっていただきたいものだ。

だけど、ついさっきまでベッドを共にしていた女性を盾にしてしまうくらい、女をセックスの道具としてしか見ていないという主人公たち。読んで野生を養えと言ってもそこまでになってしまっては大変だ! (さすがにならないか……)
「あの主人公像は、今の女性たちには受け入れられないかもしれませんね」
と、講演の後先生が仰っていたけども、そんな危なっかしい男、昔の女性たちも受け入れるのはごめんだと思うんでは……。

「でも実際にいたらめっちゃムカつくけども、想像の中でならにそういう男を求める部分が、あるかもしれない」
と私が言うと、
「勝手だねぇ」
と、笑われてしまった。
でも確かに、あると思うんだよなぁ、そういう身勝手なところ、女には。
まぁもちろん、個人差はあるんだろうけど。

ちょっと、屈折した気持ち。
精液を拭き取るボロ布みたいに扱われてみたいと思うマゾヒズムな部分が、少しあるんだ。
でも現実にはセックスの最中にお尻をはたかれてキレまくり、男性の大事な部分を思いっきり蹴り上げようとした(相手の反射神経が優れていて阻止されたけど)ような女、なんだけどもね。
うん、確かに勝手だわ。

そういう矛盾、皆は抱えてないのかなぁ〜。

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おもしろかったね。行ってよかったね。先生の話も面白かったし。しっかし、緊張したわ、いろいろと。

ついさっきまでベッドを共にしていた女性のほうは、男性を盾にしようとしていなかったのですか…?と、男の立場から思ってみる。

屈折した気持ちは私も持ってると思います。
他人に対して、「それ誰の常識だよ…?」と思ったりする一方で、「そんなの常識だろ…?」て心の中で軽くキレる自分がいたり。

まぁ常識って難しいから。

これが一番屈折しているのかも。

>makeek
おや、マッキーでも緊張することあるんだね。
でもホント緊張だった…私は人見知りだから。
でも、いい一日だったわ♪

>つきいちさん
最近の女性は、間違いなく男性を盾にするでしょうね(笑)
自分の常識他人の非常識、ですからね。難しいもんです。

大藪春彦氏の本って全然読んだことないけれど、
『蘇える金狼』はテレビでちらっとみたことあり。

>ちょっと、屈折した気持ち

これ、分かる気がする。
今はそれ程の性欲自体がないけれど、
昔は(ラブホなどいってAV見るとき)レイプものが
好きだったりして・・・(笑)
でも実際自分がその立場になったら絶対にイヤ。

>染谷水音さん

>昔は(ラブホなどいってAV見るとき)レイプものが
好きだったりして・・・(笑)

おおっと、過激発言。
でも分かるなぁ。乱暴に扱われたりむちゃくちゃにされてみたかったりするの。
実際にやられるのは、何が何でもごめんですけどね。

よくさ
「女がレイプされたがっているのは男の妄想だ!」とか言うけれど、一概にそうとも言い切れないんじゃない?!なんて思ってます(笑)

人間、誰しもそういう矛盾した心はもってるさ・・・。

>染谷水音さん
うん、屈折しているから難しいんですよね、女心ってのは。
でも大部分の女性が、そういう願望を密かに持ってることを認めたがらないんじゃないかな。
少しくらいは、あると思うのだけど。

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坂井希久子

2008年オール讀物新人賞受賞。小説家の端くれのそのまた端くれ。
翼広げて大空にはばたくぞ! と言いつつ、まだたまごには「ひび」くらいしか入っておりません。
それでも、小説が好き。あと、着物も好き。
どちらも奥が深いことでございます。
死ぬまでには、真髄にちょこっとばかし触れたいな。

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